ウクライナ中部ポルタワ州ポルタワ市で3日、ロシア軍による弾道ミサイル攻撃があり、51人が死亡、200人以上が負傷した。ウクライナ当局が明らかにした。ロシア軍による一度の攻撃での被害としては過去最大級。
ポルタワは首都キーウ(キエフ)から南東に約350キロ、ロシア国境から約120キロの都市。国防省によると、3日午前9時すぎ、市中心部にあるウクライナ軍の訓練学校の建物に弾道ミサイル2発が命中し、半壊した。
ゼレンスキー大統領は3日夜、この攻撃で51人が死亡したと発表。ポルタワ州のプローニン知事は、通信アプリ「テレグラム」で、219人が負傷し、18人ががれきの下にいる可能性があると投稿した。訓練学校のほか、周辺のアパートなどでも被害が出ているという。現地ではレスキュー隊と救急隊による救出活動が続いており、これまでにがれきの下に埋もれていた11人を含む25人を救出した。
訓練学校は、戦闘に必要な通信、電子機器などの操作を教える施設。国防省報道官によると、攻撃当時は授業中で、午前9時8分ごろに空襲警報が鳴り、その数分後には着弾した。このため、避難用シェルターへの退避が間に合わなかった人がいるとみられる。
ウクライナでは8月末、ロシア軍のミサイルや無人機(ドローン)による大規模攻撃を受け、15州で変電所などの主要インフラ施設が破壊されるなど、都市部での被害が拡大している。
ゼレンスキー氏はテレグラムに、「ウクライナは防空システムを今必要としている」と投稿し、西側諸国に追加支援を促した。また、「ロシアのテロから国民を守るため、長距離攻撃が今後ではなく、今すぐ必要だ。1日遅れるごとに人命が奪われていく」と訴え、西側各国が提供した長距離兵器のロシア本土内の基地などへの使用許可を求めた。【ブリュッセル宮川裕章】
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