米南部バージニア州のアーリントン国立墓地で、2021年にアフガニスタンで起きたテロ事件の被害者遺族と共に悼む共和党のトランプ前大統領(中央)=2024年8月26日、AP

 アフガニスタンの首都カブールで2021年に米兵13人を含む180人以上が死亡したテロ事件から26日で3年を迎えた。

 共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は米兵の遺族の一部とともに、南部バージニア州のアーリントン国立墓地を訪問。事件を含む米軍撤収時の混乱を「アフガンの屈辱」と呼び、11月の大統領選で対決する民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)にも責任があると批判した。

 トランプ氏は国立墓地訪問後、中西部ミシガン州で開かれた全米州兵協会の総会で演説し、「アフガンの屈辱によって、世界中で米国への信頼と敬意が崩壊した」と指摘。米国の国際的な威信の低下が、ロシアによるウクライナへの全面侵攻やパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃につながったとの見方を示した。

 また、「米国史上最も恥ずべき日を招いたのに、責任者は誰も更迭されなかった」とバイデン政権の対応を批判した。

 一方、ハリス氏は26日の声明で、13人の米兵の名前を挙げて追悼。ただ、米軍撤収時の混乱には触れず、「バイデン大統領は米国の最も長い戦争を終わらせるという勇気ある正しい決断を下した」と述べた。

 事件はイスラム主義組織タリバンの復権を受けて、アフガン在住の外国人や米軍に協力したアフガン人らの国外退避を急ぐ中で発生。過激派組織「イスラム国(IS)」系の「ISホラサン州」(IS―K)が犯行への関与を主張した。【ワシントン秋山信一】

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