11月の米大統領選で初当選を目指す民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)の夫ダグラス・エムホフ氏(59)が20日、中西部イリノイ州シカゴで開かれた党全国大会で演説し、「思いやりが彼女の強さだ」と妻の人柄をアピールした。
ハリス氏が女性初の米大統領に就任すれば、エムホフ氏は米国初の「ファーストジェントルマン」となる。20日の演説では「彼女はいじめに対して立ち上がり、他人が不当に扱われるのを憎む人だ」とハリス氏を紹介。妻との“格差”を巡って「私と結婚できたカマラがラッキーなのだと言ってくれるのは、母だけだ」とジョークも飛ばした。
また、共和党副大統領候補のJ・D・バンス連邦上院議員が過去にハリス氏を「子なしの猫好き女性」とからかったことを念頭に、ハリス氏がエムホフ氏と前妻との子供2人をかわいがり、選挙運動の合間にも継子と電話しているというエピソードを披露した。
エムホフ氏は弁護士で、14年に当時西部カリフォルニア州司法長官だったハリス氏と結婚した。20年にハリス氏が副大統領になると決まった後、勤務先の弁護士事務所を辞め、妻をサポートしている。今月上旬、前妻と09年に離婚した原因が自身の不倫だったと報じられたが、前妻が「さまざまな理由で結婚を終わらせると決めたが、彼は今もよき父親であり、私のすばらしい友人でもある」と声明を出したこともあり、選挙戦へのダメージは限定的だ。
米国では16年大統領選に民主党のヒラリー・クリントン元国務長官が挑んだ際、夫のビル・クリントン元大統領がファーストジェントルマンを担いつつ、長女チェルシーさんが手伝う構想があった。ドイツのアンゲラ・メルケル前首相の夫ザウアー氏は、07年の主要8カ国首脳会議(G8サミット)で配偶者行事のホスト役を務めたことがある。【シカゴ秋山信一】
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