米民主党の全国大会は2日目の20日、中西部イリノイ州シカゴの会場でオバマ元大統領(63)が演説した。ハリス副大統領(59)が党の指名候補となった11月の大統領選に向けて、「バトンは引き継がれた。我々が信じる米国のために戦うのは我々全員だ」と述べ、党員らにハリス氏への支持拡大を訴えた。
大会では全米から集まった代議員により、形式的な候補指名投票も行われた。DJの音楽に合わせて各州がハリス氏への投票を宣言する度に、会場からは大きな歓声が上がった。ハリス氏は中西部ウィスコンシン州の集会会場からオンラインで参加し、「光栄だ。新たな道を切り開く」と決意を語った。
オバマ氏は女性初の大統領を目指すハリス氏について「大統領になる準備はできている」と強調。トランプ前大統領(78)を「権力を自分の目的のために使う手段としか考えていない」と批判した。
またオバマ氏が2008年の大統領選で初当選した時のキャッチフレーズ「イエス・ウィ・キャン(我々はできる)」にちなんで、「イエス・シー・キャン(彼女はできる)」と発言し、会場も連呼した。
再選を断念しハリス氏の推薦に回ったバイデン大統領(81)については、「民主主義を守った大統領として記憶される」と称賛した。
オバマ氏に先立って、現在も支持者の間で人気があるオバマ氏の妻のミシェルさんも登壇。選挙戦は「苦しい戦いになる」と指摘。世論調査でハリス氏の支持率が上がっていることなどを念頭に、党員や支持者の間の「緩み」を戒め、「何かできることをしよう」と呼びかけた。
ハリス氏と副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事(60)も20日、選挙戦の行方を左右する激戦7州のうちの一つのウィスコンシン州で1万5000人以上を集めて集会を開催し、支持を訴えた。【シカゴ松井聡、秋山信一】
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