「ハリス旋風」は続くのか――。11月の米大統領選で民主党の候補に正式指名されたハリス副大統領(59)陣営の勢いに注目が集まるが、「ハネムーン期間」だとして一過性の現象と見る向きもある。支持者の声を聞き、今後を考えてみた。
東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで8月6日、ハリス氏と副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事(60)が初めてそろい踏みした選挙集会が開催された。会場周辺で10組以上の支持者に話を聞くと、いずれも6月27日のテレビ討論会で共和党候補のトランプ前大統領(78)との舌戦に臨んだバイデン大統領(81)のパフォーマンスに失望し、新たな候補者を心底望んでいたという。
「討論会の開始10分でテレビを消した。その後数日は気が重かった」。こう語るのは、30年以上民主党を支持するクリスティン・ニューマンさん(52)だ。他の支持者も「すぐにテレビを消した」「数日はショックだった」などと明かした人は多かった。
しかし、バイデン氏はテレビ討論会から約3週間、選挙からの撤退を表明せず、支持者の中での「焦り」は募っていた。エリー・エスさん(35)は「私だけではなく、周囲でもバイデン氏ではトランプ氏に勝てないと考えていた。一刻も早く撤退してほしいと思っていた」と語る。
支持者が新たな候補者を待ち望む中で登場したのが、バイデン氏に後継指名されたハリス氏だった。ドナ・ラーナーさん(30)は「ハリス氏は若く、エネルギッシュ。まさにこうした候補を支持者の多くは待ち望んでいたと思う」と話す。60年以上民主党を支持しているリタ・ポーリンさん(82)も「唯一にして最大の敵はトランプ氏の復権。ハリス氏をとにかく全力で支えるしかない」と語る。
多くの支持者がバイデン氏の撤退を切望▽ハリス氏は若くエネルギッシュで支持者の要求を満たす▽最大目標はトランプ氏の復権阻止――ということを考慮すると、少なくとも支持者の間では「ハリス旋風」がすぐに収束するようには見えなかった。
今後の鍵を握りそうなのは、トランプ氏とのテレビ討論会など「波乱要素」を無事に乗り切れるか、そして激戦7州での浸透だ。最後まで支持者の後押しを受けて支持拡大を続けられるか注目したい。
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