バイデン米大統領は20日、パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉について、「(イスラム組織)ハマスが手を引いているという報告を聞いた。しかし、まだどうなるか分からない」と語った。民主党全国大会に出席するため訪れていた中西部シカゴで記者団に語った。一方、ロイター通信によると、ハマスはこの発言について「誤解を招くものだ」と述べたという。
停戦交渉は、カタールの首都ドーハで15、16両日に開かれ、米国が新たな停戦案を提案した。しかし、ハマスはイスラエル側がガザとエジプトの境界などに軍の駐留を求めていると批判し、停戦案は「イスラエル寄り」などと主張。交渉は今週中にエジプトの首都カイロで再開される予定で、ハマスが受け入れるかどうかが焦点だ。
バイデン氏は、「イスラエルは何とかなると言っている。彼らは準備できている」と述べ、イスラエルが停戦案を受け入れる構えだと説明した。一方、ハマスが後ろ向きだとの認識を示しつつ、合意に向けた交渉努力を続ける考えを示した。
一方、中東を訪問中のブリンケン米国務長官は20日、停戦交渉でともに仲介役を務めているエジプトのシシ大統領と会談した。
米国務省によると、ブリンケン氏はエジプトの協力に謝意を示すとともに、地域の緊張が高まらないように引き続き協力していく重要性を強調した。これに対し、エジプト大統領府によると、シシ氏は「戦争を終わらせ、平和と外交の言葉を支持する時が来た」と指摘。停戦は、パレスチナ国家のより広範な国際的承認と、イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」を実施するための始まりでなければならないと述べた。【ワシントン西田進一郎】
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