ロバート・ケネディ・ジュニア氏のテレビ討論会への参加を訴える支持者=中西部イリノイ州シカゴで2024年8月20日、松井聡撮影

 米中西部イリノイ州シカゴで開催されている民主党全国大会(19~22日)に合わせ、会場近くでは親パレスチナのデモ以外にもさまざまな団体やグループが集会を開いたり、街頭で啓発活動を行ったりしている。

 「なぜ彼だけテレビ討論会に呼ばれないのでしょうか。これが民主主義なのでしょうか。一緒に声をあげましょう」。20日午後に街頭で道行く人にこう呼びかけていたのは、11月の大統領選への出馬を表明している弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏の支援者のグループだ。前日にはデモも行った。

 ケネディ氏は故ジョン・F・ケネディ元大統領のおいで民主党の名門一家の出身。今回は無所属で出馬を目指しているが、6月27日に当時の民主党候補者だったバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領が論戦を交わした米CNN主催のテレビ討論会には「参加条件を満たしていない」として呼ばれなかった。ケネディ氏は「非民主的だ」などと批判していた。

 街頭で呼びかけを行っていた、ケネディ氏の支援者で医師のローラ・チェンバレンさんは「私もかつて民主党の支持者だった。民主主義について敏感な人が多いので、討論会からの排除が非民主的だという私たちの訴えは響くと思う」と話す。

米民主党の全国大会の会場近くで動物愛護を訴えるPETAのメンバー=中西部イリノイ州シカゴで2024年8月20日、松井聡撮影

 動物愛護団体「PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)」(本部・米南部バージニア州)のメンバーも大会期間中、バイデン政権に対して動物実験に税金を投入するのをやめるよう求め、街頭活動を行っている。

 PETAは派手な宣伝活動で知られ、20日も路上でメンバーの一人が背中に傷を負ったネズミの着ぐるみを着て、動物保護を訴えた。7月にあった共和党の全国大会の際にも会場近くで街頭活動を実施したという。

 メンバーのマルニー・シャンブレスさんは「とにかく耳目を引くことが必要だ。まず目にとまり、『何に対する抗議活動なのか』と関心を持ってもらうことが第一歩。党大会は政治家や政治意識が高い人が集まるので反応も得やすい」と語る。

 一方で、19日にイスラエルやイスラエルを支援するバイデン政権に抗議するデモの会場となった公園の一角では、急進的な共産主義のグループがビラ配りをしていた。

 メンバーの男性は「新たに会員を集める活動をしている」と主張。「米社会は完全に分断されている。政府に批判的な若者も増えており、共産主義者にとっては勢力を拡大するまたとない好機だ」と語った。【シカゴ松井聡】

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