11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は15日、文民最高位の勲章「大統領自由勲章」と軍人最高勲章「名誉勲章」を比較し、「自由勲章の方がずっと良い。名誉勲章を受けるのは、銃弾で何度も撃たれて不健康になったか、亡くなった人だからだ」と発言した。
米国のために戦った軍人の名誉を重んじない発言として、軍人ら世論の反感を買いそうだ。
トランプ氏はユダヤ系の支持者を集めた集会で演説した際、共和党の大口献金者として知られるミリアム・アデルソン氏から紹介を受けた。演説の冒頭で礼を述べる際、勲章の話に言及。自由勲章と名誉勲章は「同等だ」と述べた後に、今回の発言をした。
ミリアム氏は、2016年大統領選で当選したトランプ氏の最大の支援者だったカジノ王、シェルドン・アデルソン氏(故人)の妻で、18年にトランプ氏が大統領自由勲章を授与した。
医師として、薬物依存症患者の治療などの社会貢献が評価されたが、同時に受章したのが、野球選手のベーブ・ルース(故人)や歌手のエルビス・プレスリー(同)らだったこともあり、「露骨な政治利用だ」と批判の声が上がっていた。【ワシントン秋山信一】
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