タイの下院は16日、新たな首相に、タクシン元首相の次女で「タイ貢献党」のペートンタン党首(37)を選んだ。14日に現職の首相だったセター氏が憲法裁判所の解職命令を受けて失職したことに伴う交代で、連立政権を組んでいた親軍政党などが支持した。
下院(定数500)で首相指名の投票が行われ、ペートンタン氏が過半数の賛成を得た。タイの首相としては最年少で就任する。女性の首相は、タクシン氏の妹で2014年に失職したインラック氏以来となる。
タクシン氏は06年の軍事クーデターで失脚し国外逃亡したが、昨年8月、15年ぶりに帰国。タクシン派内で影響力を維持し、地方を巡るなどしている。
タクシン氏の帰国を巡っては、長年対立してきた親軍派との間で取引があったとされ、タクシン氏が政治活動を本格化させたことで親軍派の反発を招いていた。憲法裁は軍の影響下にあり、セター氏に対する解職命令の狙いは、タクシン氏への警告だったとみられている。【バンコク武内彩】
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