イラン当局者は、イランからのイスラエルに対する直接の報復を止められるのは、パレスチナ自治区ガザ地区の停戦のみだと述べた。ロイター通信が13日、報じた。イスラム組織ハマス最高幹部の暗殺現場になったことを受けて、イランはイスラエルに報復する構えを見せているが、仲介国の米国なども停戦と引き換えに、報復をやめるように求めており、水面下で駆け引きが続いている模様だ。
イラン当局者はロイター通信に対して、ガザ地区の停戦交渉が失敗に終わったり、イスラエルが交渉を長引かせていると感じたりした場合、イランは、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなど親イラン組織とともに攻撃を仕掛けるだろうと述べた。交渉の進展をどれだけ待つかについては明言しなかった。
ガザの停戦交渉を巡っては、米国などが15日に協議再開を呼びかけているが、ハマスは消極的な姿勢を見せており、交渉の行方は予断を許さない状況だ。
一方、イランの通信社は13日、イランが同国北部で軍事訓練を実施したと伝えた。またハマスは13日、イスラエルの商都テルアビブに向けて、2発のロケット弾を発射した。死傷者は出ていない。テルアビブに向けてロケット弾を撃ったのは5月以来で、軍事力が残っていることを誇示しようとした可能性がある。
イスラエル軍はガザ地区の攻撃を続けている。AP通信によると、12日夜、南部ハンユニスでイスラエル軍の空爆があり、10人が死亡した。ガザ保健当局は13日、昨年10月以来のガザ側の死者が3万9929人になったと発表した。【エルサレム松岡大地】
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