中国当局は台湾海峡上空を飛行する民間航空機の航路について、台湾方面に向かう「東向き」ルートの運用を始めると発表しました。
中国は今年に入り、航路の変更を重ねていて、台湾側に圧力をかける狙いがあるものとみられます。
中国航空当局は19日、台湾海峡の上空を飛行する民間航空機の飛行ルートについて、台湾方面に向かう「東向き」ルートの運用を始めると発表しました。
変更の理由について「フライトの遅れを減らし、中国と台湾双方の乗客の利益を守るため」だとしています。
これに対し台湾側は「事前の協議なく、一方的に行った措置であり、厳重に抗議する」と反発しています。
中国は今年2月にも台湾海峡上空を南に向かう航路について、台湾寄りにすると発表しています。
この航路は、事実上の停戦ラインとされる「中間線」までわずか8キロの距離に設定されており、「中間線」を無効とする現状変更の試みではないかと台湾側が強く反発しています。
今回、中国から台湾へ向かう東向きルートが設定されたことについて、台湾に向かってくる飛行機が戦闘機なのか、民間航空機なのかの識別が複雑になり、防空体制の負担が増えるという指摘がでています。
中国は航路の現状変更を重ねることで、台湾海峡をめぐる状況の既成事実化を図り、台湾へ圧力をかける狙いがあるものとみられます。
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