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 緊迫する中東情勢で急展開がありました。核施設があるイラン中部で爆発音があり、イスラエルによる報復攻撃が行われたとアメリカメディアが報じています。

■攻撃?州周辺には核施設…今回は被害なし

ドローン撃墜の瞬間? この記事の写真

 夜空で数秒おきに点滅する光。時折、何かが破裂するような音も聞こえます。これは、イラン中部の都市・イスファハンで撮影されたとされる映像です。

イラン国営放送の記者 イラン国営放送の記者
「2、3時間前の真夜中に、イスファハンの空で大きな音が聞こえました。情報によると、上空を飛んでいた数機の小型ドローンが撃墜されたということです」

 現地メディアは、イスファハンの軍事基地近くでドローン3機が防空システムによって迎撃されたと報じています。

米メディア、イスラエルがイランをミサイル攻撃と報道

 アメリカメディアは政府高官の話として、イスラエルがイランをミサイル攻撃したと報道。今月13日にイランが行った、大規模な攻撃に対する報復だと伝えています。

 イスファハン市内のホテルスタッフに話を聞きました。

ホテルスタッフ「市内はいたって平穏」 イスファハンのホテルスタッフ
「私は市内に住んでいますが、爆発音などは聞いていません。市外にある軍事基地に攻撃があったようですが、市内はいたって平穏です」 イスファハン州は首都テヘランから約350キロ

 攻撃があったとされるイスファハン州は、首都テヘランから350キロほどの距離にあります。

周辺には核関連施設も

 周辺にはイランの空軍基地のほか、核関連施設もあります。

 イラン革命防衛隊の司令官は前日、こう警告を発していました。

イラン革命防衛隊司令官 イラン革命防衛隊司令官
「我々の核施設に対して、脅迫、軍事行動が実施されるならば最新の武器を使っての反撃の可能性も出てくるだろう」 今回は核施設に被害なし

 今回、核施設に被害はありませんでした。

イランメディアの記者
「4月19日、午前5時45分です。イスファハン州のザーダンジャン地域です。ここには原子力施設があります。先ほど銃声がしましたが、何でもありませんでした。防空システムの音でした。少なくとも、私たちのいるここは安全です。何もありません」

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■両国とも“沈黙”声明なし 今後の情勢は

■両国とも“沈黙”声明なし 今後の情勢は

きっかけは…シリアのイラン大使館が空爆

 高まるイランとイスラエルの緊張。きっかけとなったのは今月1日、シリアにあるイラン大使館が空爆されたことです。

 イスラエルによる攻撃とみられ、イラン革命防衛隊の幹部らが死亡しました。

その後、イランがイスラエルへ直接攻撃

 これに対し、イランが行ったのが13日のイスラエルへの直接攻撃です。ドローンやミサイルによる大規模な攻撃を行いました。

 イスラエル軍は、そのほとんどを撃墜。被害は少なかったとする一方で、報復を示唆していました。

イスラエル ネタニヤフ首相 イスラエル ネタニヤフ首相
「各国が様々な助言をくれるが、我々は自ら決定を下す。イスラエルは自衛のために必要なことはすべてやる」 イランメディア、「被害なし」と報道

 こうして実行されたとみられる、イスラエルの報復攻撃。これに対し、イランメディアは、被害はないとして普段通りの日常が続いていると伝えています。

イラン国営放送の記者
「街は平静を保っており、人々は通常通りの生活です」 両政府から公式発表なし

 今回の攻撃について、イラン・イスラエル双方の政府から公式の発表はありません。

 ただ、一部メディアはイラン当局者の話として、「イスラエルに対処する計画はない」と伝えています。

 今後の情勢について、専門家はこう話します。

専門家「本気で戦争する気はない」 中東情勢に詳しい
東京外国語大学 飯塚正人教授

「メンツの問題として、やられっぱなしというわけにはいかない。でも、本気で戦争をする気は、イラン側もイスラエル側もない。イスラエルの攻撃がこれで終われば、(イラン側は)何の被害もなければ、我が国の防衛システムは完璧だったという形で、話をなかったことにするというか。国際的にイスラエルに自制を求めるという声があって。現時点では、幸いにしてイスラエルが極めて自制したということだと思う」

(「グッド!モーニング」2024年4月20日放送分より)

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・米メディア イスラエルがイランを攻撃と報道『核施設に被害なし』 ・ハワイに日本人女性“入国拒否”急増…“海外出稼ぎ”増加 業者を直撃・「危ない橋」がいっぱいの米国 「来るものが来た」とおびえる市民・処理水批判の中国で“ブーメラン”魚売れず関係者悲鳴 日本は販路開拓で“脱中国”へ・宇宙人のミイラ? 空港で押収 “分析結果”ついに発表

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