バングラデシュのシャハブッディン大統領は6日夜、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士(84)を近く発足する暫定政権を主導する首席顧問に任命した。英紙フィナンシャル・タイムズによると、ユヌス氏は「政府への信頼を早く取り戻すことが重要だ」として、新たな選挙の実施を求める声明を発表した。
地元メディアによると、シャハブッディン氏は反政府デモを主導した学生団体や軍部と協議し、ユヌス氏の任命を決めた。ユヌス氏は貧困者向けに低金利・無担保で少額を融資する金融機関「グラミン銀行」の創設者で、政界進出を巡ってハシナ政権と対立していた。パリに滞在中で、近日中に帰国する見通しだ。バングラデシュ民族主義党(BNP)をはじめとする主要野党も同意しているという。
フィナンシャル・タイムズによると、ユヌス氏は「近日中にバングラデシュの再建のためにどう協力できるか、全ての関係者と話し合う」としている。一方、学生団体は7日にも暫定政権の他のメンバーが決定されるとしている。
国内では7日も混乱が続いた。首都ダッカの中央銀行では、同行の職員数百人が押しかけ、幹部の汚職やハシナ前首相とのつながりを追及した。ロイター通信は関係者の話として、副総裁4人が辞任に追い込まれたと報じた。
またインドメディアによると、バングラでは少数派にあたるヒンズー教徒の寺院や自宅が襲撃される事件も相次いでいる。【ニューデリー川上珠実】
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