英国で3~4日、極右主義者らの扇動による「反移民」暴動が全土に拡大し、暴徒化したデモ隊ら新たに100人以上が警察に逮捕された。英メディアによると、英中部ロザラムでは難民認定申請者が滞在するホテルが襲撃され、敷地の一部に火を付けられた。
暴動のきっかけは、7月29日に英中部サウスポートで女児3人が殺害された事件だ。殺人容疑などで逮捕された少年(17)の両親がアフリカ中部ルワンダ出身との情報が流れると、「容疑者はイスラム過激派」「不法移民だ」といった偽情報がSNS(ネット交流サービス)で拡散し、各地で「反移民」を訴えるデモや暴動が起きた。
週末の3~4日は、英中部リバプールやマンチェスター、英領北アイルランドのベルファストなどで暴動が発生。暴徒らはモスク(イスラム教礼拝所)や警察署に石や瓶、発煙筒などを投げ込んだ。黒人やアジア系住民が殴られるなどの被害も相次いでいる。
一連のデモには極右団体やネオナチ組織の関与も確認されたと報じられ、スターマー首相は「暴力に関与した極右連中は、法の裁きを受ける」と述べた。在英日本大使館も騒乱現場に近付かないよう注意を呼びかけている。
英国では不法移民への反発が根強く、7月4日投開票の総選挙でも移民対策が争点の一つになった。【ロンドン篠田航一】
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