ベネズエラ大統領選を巡り現職マドゥロ大統領の「当選発表」に国際社会から批判が高まる中、アルゼンチンなど中南米5カ国は2日、野党連合候補の元外交官ゴンサレス氏が勝利したと相次いで表明した。米国やペルーも同様の認識を示しており、米大陸でマドゥロ氏の3選を否定する動きが広がっている。
アルゼンチンのモンディノ外相はX(ツイッター)に「正当な勝者、次期大統領はゴンサレス氏だ」と投稿した。ウルグアイのパガニニ外相もXで「人々の意思が尊重されることを望む」と述べた。このほか、エクアドル、コスタリカ、中米パナマがゴンサレス氏勝利を表明した。
大統領選は7月28日に投開票され、全国選挙管理委員会がマドゥロ氏の勝利を発表したが、国内外から「透明性に欠ける」と指摘された。野党側は独自の集計結果などを基にゴンサレス氏の勝利を主張した。
地元メディアによると、選管は2日、マドゥロ氏が「当選」したと再び発表。集計率約97%の時点でマドゥロ氏の得票率は51・95%、ゴンサレス氏は43・18%だとした。ただ、野党や主要7カ国(G7)が求める各投票所の詳細な集計結果は公表しなかった。
ベネズエラでは集計に不正があったと抗議するデモが広がり、地元NGOによると、これまでに少なくとも11人が死亡。マドゥロ政権は抗議デモに絡んで1200人以上を拘束した。
2日未明にはゴンサレス氏の陣営本部に武装集団が押し入り、書類などを持ち去った。マドゥロ派による犯行との見方が出ている。【ニューヨーク中村聡也】
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