米労働省が2日発表した7月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は前月比11万4000人増となり、市場予想の17万5000人を大幅に下回った。失業率も4・3%と市場予想(4・1%)より高く、米雇用市場の悪化が鮮明になった。
2日のニューヨーク外国為替市場では、米雇用統計発表直後にドルを売って円を買う動きが活発化。円相場は一気に2円近く円高・ドル安が進み、一時1ドル=147円台前半を付けた。3月中旬以来、約4カ月半ぶりの円高水準。
米経済の悪化懸念の強まりから2日のニューヨーク株式市場も続落して始まり、ダウ工業株30種平均は一時前日比500ドル超安の3万9800ドル台をつけた。4万ドルを割り込むのは7月25日以来約1週間ぶり。
7月の就業者数の増加ペースは、今回の発表で下方修正された6月の17万9000人を下回った。建設やヘルスケアなどで増える一方、情報や金融などで減った。
一方、失業率は前月の4・1%から上昇し、2021年10月(4・5%)以来の悪い水準となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)は物価上昇(インフレ)抑制のため金融引き締めを続けてきたが、早ければ次回の9月会合で利下げに転じる可能性を示している。予想以上に雇用環境が悪化したことで、市場ではFRBの9月利下げの観測が強まりそうだ。【ワシントン大久保渉】
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