南米ベネズエラ大統領選で、独裁色を強める反米左派マドゥロ大統領(61)の「当選発表」に批判が広がる中、米国は1日、野党連合の統一候補で元外交官のゴンサレス氏(74)を勝者として認定した。
ブリンケン国務長官は声明で「圧倒的な証拠を考慮すると、ゴンサレス氏が最多票を得たことは米国にとっても、ベネズエラの人々にとっても明らかだ」と強調。また、マドゥロ氏の影響下にある全国選挙管理委員会(CNE)による開票手続きには「深い欠陥」があると指摘し、CNEの発表には信頼性がないとの見方を示した。
7月28日に投開票された大統領選では、CNEが翌29日、マドゥロ氏が51%を得票して勝利したと発表した。これに対し、野党側や米欧は、CNEが各投票所の集計結果を公表しなかったことについて「透明性に欠ける」と反発。野党側は3分の2以上の投票所から結果を入手し、分析した結果、ゴンサレス氏が勝利したと主張した。
米国は野党側の情報を事実だと認定した上で、出口調査の結果なども考慮し、今回の決定に至ったという。
大統領選を巡っては、米国に先立ち、ペルーもゴンサレス氏を勝者として認定。AP通信によると、メキシコ、ブラジル、コロンビアの各左派政権は現在、マドゥロ政権と接触し、集計結果の公開と公正な検証を呼び掛けている。
ただ、マドゥロ政権が応じるかは不透明だ。マドゥロ氏が掌握する国会では、ゴンサレス氏に加え、同氏と二人三脚で選挙戦を展開したマチャド元国会議員(56)の拘束を求める声も出ている。【ニューヨーク中村聡也】
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