ワリード・シアム大使=駐日パレスチナ常駐総代表部提供

 広島市が平和記念式典にロシアやベラルーシの招待を見送った一方、イスラエルを招いたことなどについて、駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム大使が毎日新聞にコメントを寄せた。

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 広島市の担当者は米ニュースメディアのCNNに「二重基準ではない。全ての国を招待するのが市の方針だが、ロシアとベラルーシはウクライナ侵攻を理由に例外とした」と述べた。

 しかし、国際司法裁判所(ICJ)が指摘するように、イスラエルがパレスチナの領土を軍事占領していることについてはどうだろうか。ガザ地区やヨルダン川西岸地区への侵略はどうだろう。病院、学校、大学の破壊、約4万人の民間人(60%は女性と子ども)の殺害、約12万人の負傷、約9000人のパレスチナ人を人質に取っていることは考慮されないのだろうか。

 ガザの住居の破壊やインフラの完全破壊、集団墓地を造らなければならないほどの大量殺害などは、SNS上に列挙されている通りであり、国連、ICJ、国際刑事裁判所(ICC)、人権団体、そして多くの国際機関によっても報告されている。

 それにもかかわらず、広島市の関係者は特定の勢力を喜ばせるためなのか、あるいは単にパレスチナ人の存在を無視し、イスラエルを支持するために、これらの行為に目をつぶっているのか。私たちは、戦争や大量虐殺、民族浄化に反対する全ての人々に、占領者であるイスラエルを招待したり、パレスチナ人に対する民族浄化を支援する都市を訪問したりしないよう呼びかける。

 長崎市はイスラエルを招待しないと決めた。その一方で、イスラエル大使館やイスラエルを支持している諸国からの圧力に屈したのか、広島市がイスラエルを招待したことは恥ずべきことだ。二重基準であることは明らかだ。

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