中国国旗=ゲッティ

 中国共産党は30日、習近平総書記(国家主席)が主宰する中央政治局会議を開き、2024年下半期の経済運営方針を決定した。ハイテク産業を巡り、「業界の自己規律を強化し、悪質な競争を防止する必要がある」と指摘し、電気自動車(EV)や太陽光パネルなどの過剰生産問題の背景にある国内の過当競争を抑制する考えを示した。

 過剰生産問題では、中国製EVなどが安値で生産・輸出されていると米欧当局が批判し、関税を引き上げる動きが相次いでいる。中国はこれに猛反発しているが、中国国内では各業界でシェア確保を最優先に、過度な値下げ競争や生産拡大が広がり、各社の収益悪化を招いているのが実態。当局も事態の修正に動き出した形だ。

 また、個人消費の低迷が長期化していることについては「複数のルートを通じて住民の所得を増加させ、中低所得層の消費能力と消費意欲を高める」とし、大学生らの就職難対策を進める方針も示した。中国政府は25日、3000億元(約6・4兆円)前後を投じて乗用車や家電の買い替えを促す補助金を拡充すると発表したが、市場関係者の間では「規模が不十分」との指摘が多い。今後さらなる消費喚起策を打ち出すかが焦点となる。

 長期化する不動産不況対策については、従来の方針を示すだけにとどまった。景気低迷の背景にある住宅市場の回復にはなお時間がかかりそうだ。【北京・小倉祥徳】

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