来日したインドのジャイシャンカル外相が29日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。ロシアのウクライナ侵攻について「戦場に解決策はないと信じている。戦場から離れ対話する努力をしなければならない」とのインドの立場を述べ、各国が役割を果たすべきだとの考えを示した。
複数のインドメディアは、インドのモディ首相が8月、2022年2月のロシアの侵攻以降、初めてウクライナを訪問する予定だと報じている。
ジャイシャンカル氏は会見で、約2年半に及ぶ戦争で多数の犠牲者を出し、食料不足やエネルギー価格の高騰など「グローバルな影響が出ている」と指摘。そのうえで「(ウクライナとロシアの)双方の国と話ができる国はそんなに多くはなく、積極的にできることをやらなければならない」と語った。
また、日印関係については、直近の10年間で政治や経済面で「めざましい進捗(しんちょく)があった」と強調。その一方で、ビジネス面で日本企業のインドへの進出が大きく進展していない現状について問われ、「空港や道路のインフラ整備、デジタル分野などでインドは包括的に成長している。インドの変容を日本企業により理解してもらいたい」と述べ、今後の日本企業の投資の拡大に期待感を示した。
ジャイシャンカル氏は、都内で29日に開催された日米豪印の協力枠組み「クアッド」の外相会合などに出席するため来日した。【松本紫帆】
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