欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は26日、医薬品の科学的評価を担当する委員会がエーザイなどのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を販売承認しないよう勧告したと発表した。認知機能の低下を緩和する効果が副作用のリスクに見合わないと判断した。
レカネマブは認知症の早期段階にある患者を対象に、病気の原因とされる脳内の有害タンパク質を除去する抗体薬。米国や日本などでは承認され、販売も始まっている。エーザイは「極めて残念だ」とコメントし、再審議を請求すると表明した。
委員会は、臨床試験ではレカネマブは薬効のない偽薬に比べて認知症状の進行を遅らせることはできたが、その差は小さいと指摘した。脳内の微小な腫れや出血がみられ、一部は重症化する上、アルツハイマー病になる危険性が高い遺伝子変異を持つ人で特に副作用が懸念されることも重視。全体として、投薬による利益は副作用のリスクを大きく上回るものではないとした。(共同)
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