パリ五輪の開会式まであと1日と迫りました。
これまで以上に課題といわれてきた“警備”。2つの戦争が続いているとあって、その分、緊張も高まっています。
松岡修造さん
「ここが本当にパリなのかと疑いたくなるくらい人がいないんです。警備員がすごいです。普段は車がたくさんある場所は、完全に閉鎖。止められている状態です。感覚でいうと無人のパリ」
開会式が行われるセーヌ川にかかる橋には、入ることができません。
開会式の前ですが、競技は、すでに始まっています。
安藤アナウンサー
「きょうからアーチェリーの予選がスタートしました。ナポレオンが眠るアンバリッド。ここは制限区域外ですので、観光を楽しむ人の姿というのも多くみられます。まさに、パリの街中で競技がスタートしました。会場の近くに、いくつもゲートが設けられていて、都度、都度チェックが行われています。いま通れず、引き返す人の姿もあります」
『SILT』と呼ばれる制限区域内に入るには、厳重なチェックが必要です。
松岡修造さん
「セーヌ川の近くまで来ることができました。選手たちは、あす、船に乗って、エッフェル塔の近くまで行くんですね。確かにSILT、厳戒態勢はしているものの、あまりにも広い範囲だから、まさにチャレンジなオリンピックになります」
大会の成功に向け、フランスは準備に自信を持っています。
内務省五輪担当 カミーユ・シェーズ広報官
「(Q.あす開会式だが警備で異変や問題は)あすの開会式には50万人が参加します。満席のスタジアムの4倍です。とても盛り上がるでしょう。世界トップレベルの警察と憲兵による万全の警備体制のおかげで、この厳しい世界情勢の中でも安全に五輪を開くことができます」
ロシアのウクライナ侵攻、そしてイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃と、世界情勢は暗雲が垂れ込めたままです。
パリに到着したパレスチナの代表団。
パレスチナは、イスラエルの参加を認めないよう、IOC国際オリンピック委員会に要請しましたが、却下されました。
パリでは、イスラエルの参加に反対するデモが、何度も行われています。
スポーツによる“平和の祭典”オリンピック。選手村には“休戦の壁”と呼ばれるものが設置されています。
IOC・バッハ会長(22日)
「全世界の指導者が、ついに平和のための行動を起こすきっかけとなるよう呼びかけましょう。『平和にチャンスを』」
今大会、IOCは、ロシアと同盟国のベラルーシ国籍の選手については、個人資格としての参加のみ認めています。
これから始まる数々の熱戦の裏で、ウクライナでは、日々、命が失われる状況が続きます。
パリ市民の声です。
パリ市民
「(Q.戦争が行われているなかでのパリ五輪は)五輪休戦の話が出ていますが、『休戦しない』困ったものです。何もできないまま戦争が続きます。ロシアはやめませんから、ウクライナは自国を守らないと。五輪に不満を持つ人や興味のない人もいます」
パリ市民
「論争はありました。イスラエルは五輪に参加するのに、なぜロシアはダメなのか。スポーツと政治は分けるべきです」
パリ市民
「紛争中だからといって、除外するべきではないと思います。五輪は平和と団結のメッセージでもあるのです」
パリ市民
「五輪は、すべての国が団結すべきです」
パリ市民
「戦争している国をオリンピックから除外するといっても…複雑です。パレスチナやウクライナでの子どもや女性の犠牲者の多さを考えると、本当に複雑な気持ちになります」
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