11月の米大統領選へ向けて共和党の副大統領候補に指名されたJ・D・バンス上院議員(39)の過去の発言が波紋を呼んでいる。バンス氏が、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)らを「子どもがいない惨めな変わり者」と呼び、米国に「直接利害関係がない人々」と語る過去のインタビュー映像がソーシャルメディアで拡散し、大きな批判を招いている。
民主党の大統領候補選出が確実視されるハリス氏は、夫で弁護士のダグラス・エムホフ氏の連れ子2人の継母だ。子どもたちからは親しみを込めて「ママラ」と呼ばれているという。
バンス氏の発言は、2021年に保守系FOXニュースで右派ジャーナリストのタッカー・カールソン氏の番組に出演した際のもの。ハリス氏のほか、同性愛者と公表しているピート・ブティジェッジ運輸長官や、急進左派のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員を名指しして「民主党の未来は子どもがいない人々に支配されている」と言及。「私たちの国を、直接利害関係がない人々に委ねることに、どのような意味があるのか」と続けた。
今月22日にX(ツイッター)に投稿されたインタビューの映像は、1日で2150万回以上視聴された。
AP通信によると、ハリス氏の陣営は「この国の将来にはすべての米国人が利害関係を持つ」と反論し、「醜悪な個人攻撃」だとした。16年の民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン元国務長官は、Xの投稿で「(バンス氏は)なんて普通で親近感を持てる男性なんだ」と痛烈に皮肉った。
バンス氏は、大統領選の争点の一つである人工妊娠中絶を巡り、コンビを組む共和党大統領候補のドナルド・トランプ前大統領よりも強硬に反対の姿勢とみられる。一方のハリス氏は、トランプ氏の過去の性加害を認めた民事裁判などに触れ、共和党が政権を奪取すれば、生殖の自由や女性の権利を後退させるとして批判を強めている。【ニューヨーク八田浩輔】
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