選挙本部で演説する米民主党のハリス副大統領=東部デラウェア州で2024年7月22日、AP

 11月の米大統領選を巡る民主党の候補者選びは、ハリス副大統領(59)がバイデン大統領(81)の撤退表明からわずか1日で、地滑り的な支持を集めた。民主党は挙党態勢で共和党のトランプ前大統領(78)に対抗できるのか。

 「ハリス氏への私の熱烈な支持は、公式的、個人的、そして政治的なものだ。素晴らしく聡明(そうめい)であり、我々を勝利に導いてくれると確信している」。重鎮のペロシ元下院議長は22日の声明で、ハリス氏への支持を表明した。米メディアによると、ペロシ氏のほか、複数の知事や連邦議員も相次いでハリス氏への支持を表明した。

カマラ・ハリス氏

 今のところ対抗馬も現れていない。西部カリフォルニア州のニューサム知事(56)や中西部ミシガン州のウィットマー知事(52)ら、下馬評で候補に挙がっていた複数の知事らも、早々とハリス氏への支持を表明した。

 ハリス氏は「若さ」でトランプ氏より有利で、激戦州を中心に黒人や移民、女性など多様な層の票を掘り起こせると期待されている。政策でもバイデン氏のものを違和感なく引き継げる。

 選挙資金でも、ハリス氏はバイデン氏のものを引き継げる。追加資金が着々と集まっており、米CNNによるとハリス氏の出馬表明後の1日で8100万ドル(約127億円)が集まった。米著名投資家で民主党に多額献金をしてきたジョージ・ソロス氏と息子のアレクサンダー氏もハリス氏を支持する考えを表明した。

 民主党有力者の間では、党内の混乱や分裂の危険を冒してまでハリス氏に対抗するべきではないとの考えが広まっている。ニューサム知事らは「若手のホープ」とされるものの、2028年の次回以降の大統領選を視野に入れているとの見方もある。

 ハリス氏の指名が確実になったことで、既に関心は副大統領候補の選出に移っている。東部ペンシルベニア州のシャピロ知事、南部ケンタッキー州のビシア知事、南部ノースカロライナ州のクーパー知事のほか、西部アリゾナ州選出のケリー上院議員らの名前が取り沙汰されている。【ワシントン松井聡】

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