ジョン・F・ケネディ元米大統領ら多くの政治家を輩出した米国の名門ケネディ家の一族十数人が18日、11月の大統領選で民主党のバイデン大統領(81)を支持すると表明した。一族の一員であり、無所属で立候補しているロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)と明確に線を引き、民主党支持層の票がロバート氏に流れないようにする狙いだ。
ケネディ家の十数人はこの日、バイデン氏の陣営が激戦州の東部ペンシルベニア州で開いたイベントに参加した。ロバート氏の妹ケリー・ケネディ氏が一族を代表して演説し、「バイデンとハリス(副大統領)を再選させることが米国の最善の道だ」と強調。「ケネディ家はバイデン大統領を支持する」と明言した。これを受け、バイデン氏は演説で「ケネディ家に支持してもらうのは信じられないほどの名誉だ」と謝意を示した。
ロバート氏は、ロバート・ケネディ元司法長官の息子で、ケネディ元大統領のおいにあたる。当初は民主党の候補指名獲得を目指していたが、無所属での立候補に切り替えた。各州で投票用紙に無所属候補として名前を載せるために署名集めをするなど、2大政党の候補者とは異なる厳しい戦いを続けている。
ただ、今回の大統領選ではバイデン氏とトランプ前大統領の大接戦が予想されている。特に激戦州では、ロバート氏のような第3の候補に少しでも票が流れれば結果が変わり、全体の勝敗にも大きな影響を与える可能性がある。18日のイベントの背景には、ロバート氏が「ケネディ家」のブランドで民主党支持層の一部の票を奪うことに対するバイデン氏陣営の強い警戒感がある。
一方、ロバート氏はX(ツイッター)への投稿で、親族がバイデン氏を支持することについて「政治的に積極的であることは、一家の伝統であり喜ばしい」と言及。「我々は、意見は割れているが互いへの愛情では結束している」などと書き込んだ。【ワシントン西田進一郎】
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