選挙本部で演説する米民主党のハリス副大統領=東部デラウェア州で2024年7月22日、ロイター

 11月の米大統領選に向け、民主党のハリス副大統領(59)が22日、党の大統領候補者指名を目指して選挙活動をスタートさせた。選挙本部での集会で、「党を団結させ、国民を団結させ、勝利するために全力を尽くす」と訴えた。また前日に撤退表明したバイデン大統領(81)に続き、ペロシ元下院議長や知事ら有力者も相次いでハリス氏への支持を表明。指名獲得に向けて優位な立場を固めている。

 「全ての人が家を購入でき、手ごろな医療を受けられ、労働者が公正な賃金を得られる。そんな国家を築くために戦う。中間層が強くなれば、米国も強くなる」。ハリス氏はバイデン氏の地元の東部デラウェア州にある選挙本部で開いた集会で演説し、バイデン氏の政策を引き継ぎ、「中間層」を重視する姿勢を鮮明にした。

 トランプ前大統領については、「億万長者や大企業に多大な減税を行い、労働者にその代償を支払わせる政策に戻る。全ての州で人工妊娠中絶を禁止する法律にも署名するだろう」と批判。その上で、「自由、思いやり、法の支配のある国に住みたいのか、あるいは、混乱と恐怖と憎しみの国に住みたいのか。私たち一人一人がその問いに答える力を持っている」と主張した。

 集会には、バイデン氏も電話で参加。陣営関係者に向けて、「昨日の(撤退の)ニュースには驚いたと思うし、聞くのがつらかっただろう。ただそうすべきだったのだ」と撤退の判断に理解を求めた。また「トランプ氏はいまだに危険」だとして、ハリス氏への支持を呼びかけた。

 バイデン氏から推薦を受けたハリス氏は、着々と足場を固めている。選挙対策本部の共同議長には、バイデン氏の後任として党の大統領指名候補にも名前が挙がっていた中西部ミシガン州のウィットマー知事(52)が就任。ロイター通信によると、ハリス陣営は24日中に指名獲得に必要な数の代議員の支持を取り付けることを目指している。

 また選挙資金も集まっている。米CNNは、ハリス陣営は同氏が指名を目指す考えを表明後の1日で、8100万ドル(約127億円)の資金を集めたと報じた。【ワシントン松井聡】

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