アメリカのバイデン大統領が11月の大統領選からの撤退を表明し、ハリス副大統領を後継候補として支持するとしています。今後の動きについて、詳しくお伝えします。
■バイデン大統領が “撤退表明” ハリス氏の実績に疑問?
良原安美キャスター:
バイデン大統領は21日、再選を目指す11月5日の大統領選から撤退すると表明し、後任の候補としてハリス副大統領を支持しました。これにより共和党候補であるトランプ元大統領の“確トラ”に変化が起きるのでしょうか。
バイデン大統領は撤退に際しSNSで「私はハリス氏を党候補者として全面的に支持し推薦したい」と投稿しました。
これに対しハリス副大統領は「光栄にも大統領からの支持を得た。党の候補者指名を勝ち取りたい」と意欲を示しています。
【ハリス副大統領とは?】
・カリフォルニア州出身の59歳
・2004年~サンフランシスコ地方検事
・2011年 カリフォルニア州司法長官就任
・2016年 上院議員当選
・2021年 女性初 副大統領就任
・不法移民対策を担当も目立った実績を残せていないという声も
ホラン千秋キャスター:
バイデン大統領が撤退しました。今後の注目ポイントはありますか?
産婦人科医 宋美玄さん:
バイデン大統領の勝ち目はないかなと感じていましたので、撤退するタイミングは少し遅いけれどもよかったのかなと思います。
トランプ元大統領は銃撃事件もありヒーローのようになっていますが、産婦人科医の視点からすると、中絶を禁止するという、女性の権利を制限していくような考えの方ですので、対立候補が女性になった場合、女性の体の権利などが論点の一つになってくれるといいかなと思います。
■トランプ氏「ハリスの方が戦いやすい」ハリス氏は検察官のキャリアで攻撃か
井上貴博キャスター:
トランプ元大統領にとって、ハリス副大統領は戦いづらい相手なのでしょうか。
樫元照幸 ワシントン支局長:
トランプ元大統領は「ハリス副大統領の方が戦いやすい」と話しています。
一方でバイデン大統領は『対立候補がトランプなら自分は勝てる』『民主主義の敵だ』と語り、選挙戦を進めてきました。しかしトランプ氏が銃撃事件の被害者となったことでバイデン大統領としては打ち出しにくい状況となり、撤退表明に至ったということです。
今後、ハリス副大統領が民主党の体制を立て直し、どのようにトランプ氏を攻めていくか。まだわからない部分があるのですが、この攻撃次第だと思います。
ハリス副大統領は政治家よりも検察官としてのキャリアが長い。4つの刑事事件で起訴されているトランプ氏と、対峙する役を演じていくのではないかと思います。
まだ決まってはいませんが、討論会が行われハリス副大統領が強気に攻撃をするようなことがあれば、もしかすると勢いが出る可能性も十分考えられるでしょう。
ホランキャスター:
アメリカ国民はハリスさんに対してどのような印象を持っているのでしょうか。
樫元 ワシントン支局長:
「バイデンさんは撤退した方がいい」という声はかなり強くありました。まだ正式に指名されてはいませんが、候補者がハリスさんに変われば民主党は立て直しができるのではという期待はあるようです。
ただ、ハリスさんは副大統領としてあまり目立っていない。評価や人気もそれほど高くないというのが現状です。しかも不法移民対策を担当するも目立った実績を残せていないという点が、共和党からの攻撃材料になっています。このあたりがどうなるかが注目となります。
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<プロフィール>
樫元照幸 記者
TBS報道局 外信部 ワシントン支局長
宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信し、女性の性に関する著書が人気
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