米連邦議会のマイク・ジョンソン下院議長=2024年7月16日、秋山信一撮影

 11月の米大統領選で民主党のバイデン大統領が出馬を断念したことを受けて、共和党のジョンソン連邦下院議長は21日、即時に大統領を辞任するよう求めた。共和党副大統領候補のバンス連邦上院議員も最近、「再選を断念するなら、大統領にとどまることも正当化できない」と訴えており、共和党からの辞任圧力を強める構えだ。

 ジョンソン氏は「大統領選まで100日余に迫った時点で、民主党は大統領候補に無理やり出馬を断念させた。(民主党候補指名争いでバイデン氏に投票した)1400万人以上の票を無効にしたことは、自ら名乗る『民主主義の政党』とは逆の姿を示している」と酷評した。

 トランプ陣営は、6月のテレビ討論会でバイデン氏が高齢不安を露呈して以降、撤退も想定して準備を進めてきた。トランプ氏は20日に中西部ミシガン州で開いた集会でも「誰を相手に選挙をやりたい? ハリスか、バイデンか」と支持者に問いかけ、民主党の混乱をからかっていた。

 トランプ氏は21日、バイデン氏の撤退表明について、「いんちきバイデンと戦うため、時間と金を費やすことを強いられてきたが、(相手が変わって)もう一度やり直さなければならない。共和党はこれまでの費用を弁償してもらうべきじゃないか」とジョークを飛ばす余裕も見せた。

 さらにトランプ氏は「左派が誰を出してきても同じことだ」と強調。バイデン氏と合意していた9月のテレビ討論会についても、主催をABCニュースから自身に近い保守系のFOXニュースに変更するよう要求した。

 トランプ氏は13日の銃撃事件を受け、18日の共和党候補指名受諾演説では、国民に団結と融和を呼びかける「ソフト路線」も使うなど、支持層の拡大を図っている。陣営は当面、民主党の候補選びを横目に、接戦州のてこ入れを進める方針だ。【ワシントン秋山信一】

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