ジョー・バイデン氏=2023年1月26日、西田進一郎撮影

 米民主党のジョー・バイデン大統領(81)が21日、再選を目指す11月の大統領選からの撤退を表明したことを受けて、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は同日、「勇気ある選択をした」との社説を発表した。バイデン氏が精彩を欠いた6月下旬のテレビ討論会以降、同紙は社説を通じて、選挙戦からの撤退を要求していた。

 ニューヨーク・タイムズは、今回の決断が政治家としてふさわしい幕引きだったとした上で、バイデン氏は大統領として国に良く尽くしてきたと評価。選挙戦にとどまっていたら、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が返り咲く可能性を高めていたと指摘し、「バイデン氏はトランプ氏が決してしないことをした。彼はプライドや野心より国益を優先した」と強調した。

 また、この決断は国民の関心をバイデン氏の健康不安から、トランプ氏に再び権力を与える危険性に向け直す機会になると指摘。民主党はバイデン氏の撤退をチャンスと捉えなければならないと主張した。

 ニューヨーク・タイムズはリベラル派の有力紙で、バイデン氏とトランプ氏の戦いとなった前回2020年大統領選では、バイデン氏を支持していた。【ニューヨーク中村聡也】

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