中国共産党は21日、国営新華社通信を通じて、第20期中央委員会第3回総会(3中全会)で採択した独自の発展モデル「中国式現代化」の推進に関する決定の全文を公表した。不動産不況の長期化で地方政府の巨額債務が問題となる中、嗜好(しこう)品に課される「消費税」の税収を地方に配分するなど、地方財源を拡大する方針を示した。
地方政府は、土地の使用権を不動産会社などに売却することが大きな収入源となってきた。ただ、不動産不況の長期化で税収減が進み、地方財政が悪化。公務員の賃下げなどを通じて、個人消費低迷の一因となっているほか、今後の金融リスクなどにもなりかねないため、対応を急いだ形だ。消費税だけでなく、その他の税でも税率の決定権の地方裁量を増やすほか、財政出動で中央政府の支出割合を増やす方針も示した。
また、不動産政策でも地方政府の裁量を増やすほか、不動産税制を改善する方針も示した。
一方、消費喚起策では、所得分配の改善や、基礎年金引き上げなどの社会保障制度見直し方針などは盛り込まれたが、具体性を欠く記述にとどまった。2022年から中国が人口減少に転じる中で、少子化対策や労働力確保のための定年延長に関する方針も注目されたが、抜本的な対策は示されなかった。【北京・小倉祥徳】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。