11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は19日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で協議した。トランプ氏はソーシャルメディアに「次期大統領として、世界に平和をもたらし、多くの命を犠牲にした戦争を終わらせる。双方(ウクライナとロシア)は暴力を終わらせるディール(取引)を結び、繁栄に進む道を作れる」と投稿し、改めて和平仲介に意欲を示した。
トランプ氏によると、ゼレンスキー氏が電話をかけてきて、共和党全国大会(15~18日)でトランプ氏が正式に大統領候補に指名されたことに祝意を示した。また13日のトランプ氏の銃撃事件を非難した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの対応も協議したとみられる。
トランプ氏は18日の党大会での演説で「私が大統領なら、ロシアとウクライナの恐ろしい戦争は起きなかった」との持論を展開。ウクライナの都市の破壊や人命の損失にも言及し、早期の和平仲介への意欲をにじませていた。ゼレンスキー氏としては、ウクライナに不利な条件で和平を推進しないようくぎを刺す狙いもあったとみられる。
ウクライナ情勢を巡っては、トランプ氏の「盟友」であるハンガリーのオルバン首相が今月、ウクライナやロシア、中国などを回った後にトランプ氏と会談。トランプ氏の復権を見据えた外交の動きが活発化している。【ワシントン秋山信一】
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