トランプ前米大統領が選挙集会中に銃撃された事件で、米CNNは19日、トーマス・クルックス容疑(20)が過去の銃乱射事件の犯人に関する情報を調べていたことが捜査当局による携帯電話の解析で判明したと報じた。
事件では動機の解明が焦点となっている。容疑者が銃乱射を企てていたところに、地元の米東部ペンシルベニア州でトランプ氏が集会を開くことが分かったことが、犯行につながったとの捜査当局の見立が浮上しているという。
クルックス容疑者がインターネットで検索していたのは、中西部ミシガン州の高校で2021年、銃を乱射して生徒4人を死亡させた当時15歳の少年に関する情報。少年の写真や両親の情報なども調べた形跡があった。
この少年は23年12月、殺人罪などで終身刑を言い渡された。両親も今年4月、銃の安全管理策を講じなかったことなどが事件を招いたとして、過失致死罪で禁錮10~15年の判決を受けている。
CNNは、連邦捜査局(FBI)と大統領警護隊(シークレットサービス)が17日、連邦議会議員に対し事件の経緯を説明した際に、こうした情報が共有されたとしている。
事件は13日夕、ペンシルベニア州バトラーで発生した。クルックス容疑者はその1週間前にトランプ氏が集会を開く予定の会場を訪れた以外にも、事件当日の朝にも足を運んでいた。その後、自宅に戻り、犯行に使われた半自動小銃AR15を持ち出したとみられている。父親は容疑者が銃を持って外出したのを見たが、射撃場に行くと思っていたという。【ニューヨーク中村聡也】
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