日本と中国の国旗=ゲッティ

 日中両政府は7月下旬に東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議がラオスで開催されるのに合わせ、上川陽子外相と王毅・中国共産党政治局員兼外相が会談する調整に入った。日中関係筋が18日、明らかにした。日本政府は外相会談の結果を踏まえ、2024年後半に日本から外相が訪中することを本格検討する。

 会談は23年11月に日中韓外相会談に合わせて韓国・釜山で実施して以来となる。上川氏と王氏は前回の会談で、外相の相互訪問を検討することで合意している。

 今回の会談で、上川氏は東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関連して中国側が続ける日本産水産物の輸入規制の即時撤廃を改めて求める方針だ。また、東シナ海や南シナ海情勢などへの深刻な懸念を伝える一方、「戦略的互恵関係」に基づく建設的かつ安定的な日中関係の構築の必要性も伝達するとみられる。その際、外相の相互訪問も改めて取り上げる見通しだ。

 日中間では24年5月に岸田文雄首相と李強首相が韓国・ソウルで開催された日中韓首脳会談の際に会談。19年を最後に中断している外相が議長の「日中ハイレベル経済対話」を再開することで改めて一致した。

 経済対話は前回、北京で実施しており、次回は日本開催になる見込み。上川氏は経済対話を前に、自身が訪中することで中国側との関係構築を進める考えとみられる。一方、9月には自民党総裁選が控えるため、日程は流動的な面もある。【森口沙織、小田中大】

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