トーマス・クルックス容疑者が暮らしていたとされる民家=米東部ペンシルベニア州ベセルパークで2024年7月16日、AP

 トランプ前大統領が選挙集会の演説中に銃撃された事件で、大統領警護隊(シークレットサービス)と連邦捜査局(FBI)の関係者が複数の下院議員に対し、容疑者はうつ病だったと報告していた。CNNが17日報じた。また、同じ電話で警護隊のチートル長官が、当日の警備体制は失敗だったと認めたという。

 13日に東部ペンシルベニア州で発生した事件では、トーマス・クルックス容疑者(20)が、演説台から約120~130メートル離れた会場外の建物の屋上から、半自動小銃でトランプ氏を狙撃したとみられる。容疑者宅の捜索では、特定の思想や政治的信条に関する情報は見つからなかった。

 一方、ペンシルベニア州の地元メディアWPXIは近隣住民の話として、容疑者の自宅の庭には最近まで、「MAGA(マガ)」と書かれた標識のようなものがあったと伝えた。MAGAはトランプ氏のスローガン「米国を再び偉大に」の頭文字で、熱狂的な支持者であることを指す。

 クルックス容疑者は「共和党員」として有権者登録する一方、民主党系の団体に献金していたとされる。米メディアによると、父親は「リバタリアン」(保守系小政党)、母親は「民主党員」として登録している。誰がこの標識を設置したのかは不明という。【ニューヨーク中村聡也】

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