JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者=ロイター

 トランプ前米大統領は11月の大統領選で返り咲いた場合、政権の重要ポストである財務長官に米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の起用を検討していると明らかにした。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長については、2026年5月の任期満了を認めるとした。

 米ブルームバーグ通信が16日、銃撃事件前の6月下旬に実施したトランプ氏へのインタビューを公表した。

 トランプ氏は6月に、ダイモン氏や米アップルのティム・クックCEOら米大手企業経営者が参加する会合に出席。インタビューで「ダイモン氏はとても尊敬できる」と評価した。

 ダイモン氏は21年1月の米連邦議会襲撃事件を厳しく批判した大手企業トップの一人。長くトランプ氏との関係が悪化していたが、今年1月、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でトランプ氏について「いくつかの重要課題で間違っていなかった」と発言するなどスタンスを修正した。米メディアによると、トランプ氏もこれを喜び、ダイモン氏を評価するようになったという。

 一方、トランプ氏はインタビューで、FRBの利下げ時期について「すべきではないと分かっていても、彼らは11月の大統領選前にやるかもしれない」と述べた。物価上昇(インフレ)の鈍化を受け、FRBが9月会合で利下げに踏み切るとの観測が強まっているが、「選挙直前の利下げは米経済の下支えとなり、現職のバイデン大統領に有利に働く」との見方が出ていた。

 また、法人税率を現行の21%から15%に引き下げる考えを示した。トランプ氏は大統領任期中に法人税を35%から21%に引き下げた。

 中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を米国内で禁止しない考えも示した。バイデン政権は4月、ティックトックを親会社の中国企業から切り離さなければ、米国内での事業を事実上禁止する法律を成立させた。【ワシントン大久保渉】

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