2日前に銃撃を受けたばかりのアメリカ・トランプ前大統領。11月の大統領選での返り咲きを目指し、共和党の全国大会に登場。正式に候補者としての指名を受けました。
記者
「トランプ前大統領が会場に姿を見せました。会場のボルテージは最高潮に達しています」
司会
「まもなく第47代米国大統領となる ドナルド・J・トランプ氏です!」
15日、共和党の正式な大統領候補に指名されたトランプ氏。
世界中に衝撃が走った銃撃事件からわずか2日。負傷した右の耳には、白い当て布のようなものをつけていました。
演説などはしませんでしたが、時折、笑顔を見せたほか、右手を突き上げたり、手を振ったりして出席者の歓声に答えるなど、銃撃に屈しない強さをアピールしています。
これに先立ち、共和党は不法移民を強制送還することなどを盛り込み、トランプ氏の意向を全面的に反映した党の綱領を採択。大統領選を共に戦う副大統領候補には、トランプ氏が掲げる「アメリカ・ファースト」の政策を強く支持する39歳のJ・D・バンス上院議員が指名されました。
また、大会前にはトランプ氏に“追い風”となるニュースも。
トランプ氏が政府の機密文書を違法に持ち出したとして検察に起訴された事件で、フロリダ州の連邦地裁が訴えを棄却したのです。大統領選までにこの事件をめぐる裁判が開かれる見込みはなくなったとみられています。
ただ、その一方で、大会が行われたウィスコンシン州では移民や妊娠中絶をめぐる権利、パレスチナ問題などに対するトランプ氏の政策に反対する人たちが集まりました。
“反トランプ”集会の参加者
「政治的な暴力には賛成しないが、耳を傷つけられたからといって、ファシスト(全体主義者)でなくなるわけではない」
「必要なのは“女性への制限”ではなく、銃の規制です」
参加者たちは、「暗殺未遂事件によって、トランプ氏に対する支持が広がっている」と懸念していて、アメリカの“分断”の行方は見通せません。
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