米東部ペンシルベニア州で米共和党のトランプ前大統領が銃撃された事件で米メディアは、同州在住のトーマス・マシュー・クルックス容疑者(20)が事件当日の朝に銃器店で弾薬50発を購入していたと報じた。同日にはホームセンターで長さ1・5メートルのはしごも買っていた。
クルックス容疑者は13日夕、百数十メートル離れた建物の屋上から、演説中だったトランプ氏を半自動小銃AR15で狙撃したとみられている。弾薬はトランプ氏を撃つため、はしごは建物によじ登る目的で購入した可能性がある。またクルックス容疑者の車から二つの爆発物が見つかり、自宅からも別の爆発物のようなものが発見された。
米メディアによると、クルックス容疑者は、スポーツとしてライフル射撃などを練習するクラブに所属していた。事件当日には、射撃をテーマにした人気ユーチューブチャンネルのロゴが入ったTシャツを着ていた。
クルックス容疑者は地元の公立高校を卒業後、介護施設で働き、仕事ぶりは真面目だった。高校では理数系科目の成績優秀者として表彰されたこともあり、今年5月には工学系の2年制公立大学を卒業していたという。
事件で使用された半自動小銃は、容疑者の父親が合法的に購入したものだった。連邦捜査局(FBI)は、クルックス容疑者単独による事件だったとの見方を示している。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、クルックス容疑者に犯罪歴はなく、特定のイデオロギーや政治的傾向を示す言動も確認されていない。クルックス容疑者は18歳で共和党員として有権者登録していたが、勤務先の関係者は捜査当局に対して「周囲に対して政治的な意見を語ることはなかった」と証言しているという。FBIは携帯電話の通信記録を解析するなどして、動機や事件の背景を調べる。【ニューヨーク中村聡也、ワシントン秋山信一、大久保渉】
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