アメリカのトランプ前大統領が銃撃された事件で、51秒間にわたる新たな映像を入手。銃撃前後の状況が明らかになりました。

■トランプ氏“銃撃” 新映像を検証

 演説会場を映した“51秒の”新たな映像。最初のカットは銃声が響いた直後の壇上を映します。そして、カメラは観客席へ向けられます。

 手前には身を隠すように寝そべる人。人々は大きなジェスチャーで助けを求めます。帽子をかぶった男性が叫びます。

 CNNによりますと、亡くなったのは元消防士・コンペラトーレさん(50)。家族をかばって撃たれたと伝えています。

 容疑者とトランプ前大統領の間にいた人々が撃たれたことになります。

 当のトランプ前大統領は自身の所有するゴルフ場へ。16日に行われる共和党大会に出席する見通しです。

■トランプ氏“治療後”ゴルフ場へ

 ウィスコンシン州へ到着したトランプ前大統領。何かを叫び、ガッツポーズを見せます。顔の右側には包帯のようなものも見えます。

 トランプ前大統領が銃撃されて負傷した“暗殺未遂”事件。聴衆の1人が死亡、2人が重体となっています。

■動機は?“銃撃”容疑者の素顔

 新たに分かったことがあります。

 2022年の高校の卒業式で、アカデミックガウン姿で笑顔を見せるトーマス・クルックス容疑者(20)。

容疑者を知る男性
「彼と同じスクールバスを使っていた。とても静かでシャイな子ども」

元クラスメート
「彼との交流は学校で見掛ける程度。彼はいじめられ、昼食の時も1人で座っていた」

 リハビリセンターで食事の補助員をしていたというクルックス容疑者。自宅や車の中からは爆発物の材料が見つかったということです。

■容疑者の男 射撃センター通い…

 クルックス容疑者が使用したのはAR15という銃。地元紙によりますと、容疑者が射撃センターに1年間通っていたという情報もあります。

銃器店スタッフ
「ARライフルは非常に人気がある素晴らしい銃です。実績もあるし、カスタムもできる。撃つのも楽しい。とても素早く簡単に使える銃。照準さえ合えばとてもきれいにフラットに撃てる」

 トランプ前大統領との距離は少なくとも120メートルほど。この距離は何を意味するのでしょうか。

銃器評論家 津田哲也さん
「これは自動小銃の一種になり、基本的な訓練は300メートルで行われる。その半分くらい(120メートル超)の距離だからそれほど難しくない。軍事経験があるないにかかわらず、このぐらいの銃であれば誰でも撃てるのではないか。命中精度は素人でも確保できる」

■銃撃前に男の“不審な動き”

 事件があった瞬間、不審な男を見ていた人がいました。

目撃者
「その建物の屋根の上をクマのようにはい上がっていくのに気付きました。彼がライフルを持っているのがはっきり分かりました。私たちは『ライフルを持った男が屋根にいるぞ』と警察に言いましたが、警察は何が起きたか分かっていないようでした」

 シークレットサービスが事態を把握し、容疑者がいた倉庫に銃を向けます。

目撃者
「シークレットサービスが彼を撃ちました。容疑者は死んでいました。それで終わりました」

■トランプ氏 銃撃“51秒の新映像”

 警備体制に問題はなかったのでしょうか。

セキュリティコンサルタント 松丸俊彦さん
「訓練された人が素晴らしい動きでトランプ前大統領を警護した。問題があるとすれば銃撃を受ける前の段階、警備計画のところ。容疑者がいたと思われる建物に通常、『高所警戒員』を配置する。高所警戒員がいなかったのが問題点の一つ」

 銃撃の瞬間に何が起きていたのか。映像を検証すると、トランプ前大統領が発した言葉が残されていました。

 1回目の銃声が聞こえると、トランプ前大統領が耳に手を当てます。そして2回目、3回目の銃声が聞こえるとトランプ前大統領がしゃがみ込みます。

 その間わずか2秒間。この銃声とともにすぐさま数人のシークレットサービスがトランプ前大統領のところに駆け付け、覆いかぶさります。

 その時間はわずか3秒です。その後も銃声はやみません。海外メディアによりますと、容疑者が撃った銃弾は合計で8発だということです。

■「待て!」トランプ氏のやり取り

 銃撃後、騒然とする会場。銃で武装した部隊が壇上に上がり、会場を見渡します。シークレットサービスがトランプ前大統領を支えながら立ち上がると…。

トランプ前大統領
「靴を取らせてくれ」

 靴を気にするトランプ前大統領。すると…。

トランプ前大統領
「待って。待って待って」

 右耳から血を流しながら右手の拳を突き上げ、何かを話し出します。ワシントンポストによりますと、トランプ前大統領はこの時、こう話していたといいます。

トランプ前大統領
「ファイト!(戦え!)ファイト!(戦え!)」

 悲鳴から歓声に変わった会場。その後、トランプ前大統領はシークレットサービスに守られながら車に乗り込み、会場を後にしました。

(C) CABLE NEWS NETWORK 2024

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