今月から欧州連合(EU)の議長国を務めるハンガリーのオルバン首相は5日、モスクワを訪問した。ロシアのプーチン大統領と会談し、ロシアがウクライナで続ける「特別軍事作戦」について協議した。
ロシア寄りの姿勢で知られるオルバン氏は以前から即時停戦を主張しており、「平和のミッション」継続のためにモスクワに来たと説明。プーチン氏は冒頭、問題解決に向けて話し合う用意があるとし「欧州のパートナーの立場を聞かせてもらいたい」と述べた。
オルバン氏は2日にウクライナの首都キーウ(キエフ)で、ゼレンスキー大統領と会談。一時的な停戦を検討するよう持ちかけたが、ゼレンスキー氏は難色を示していた。プーチン氏との会談では欧州諸国がロシアとの対話を望んでいないと指摘し、「欧州でロシアとウクライナの双方と対話ができる国は減っており、近くハンガリーだけになるだろう」と話した。
オルバン氏の訪露を巡っては、EU内で批判の声が強まっており、ミシェルEU大統領はX(ツイッター)に「持ち回りの議長国にEUを代表してロシアと交渉する権限はない」と投稿。フォンデアライエン欧州委員長も「融和策ではプーチン氏を止めることはできない」と指摘した。
これに対し、オルバン氏は「交渉する権限がないとしても、戦争が奇跡的に終わるのを傍観しているわけにはいかない」などと反論していた。【モスクワ山衛守剛】
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