中国共産党の党員数が今年末にも1億人の大台を突破する勢いとなっている。共産党は6月30日、2023年末時点の党員数が9918万人に達したと発表。中国は22年末に人口減少社会に突入したが、一党支配下で党員数は右肩上がりが続いている。
国営新華社通信が伝えた党中央組織部の統計によると、23年末の党員数は、前年比114万人増で過去最多を更新した。全人口14億人に占める党員の割合も7%に上昇した。
入党申請者は、前年比2万人増の2098万人だった。党員は公務員や国有企業への就職などで優遇される。若年層の就労環境が厳しい中、学生のうちから党員を目指そうという若者も多い状況とみられる。
党員の内訳では、製造業などの労働者と農漁民らが計3271万人だったのに対して、国有企業や民間企業、党・政府機関に勤める党員は計3528万人。「ホワイトカラー」の割合が拡大した形だ。大学・専門学校卒の割合は56・2%(前年比1.5%増)となり、高学歴化も進む。
党の最高規範である党規約は、党を「労働者階級の前衛」と位置付ける。実際かつては労働者や農民が党員の主流だったが、高学歴のエリート集団へと変質しつつある。
党による指導の強化を掲げる習近平指導部は、行政機関や企業、学校など社会の末端まで党の組織を設置することを進めている。「基層組織」と呼ばれるこうした組織の数は、23年末に517万(前年比2・2%増)に達し、年々増加している。
習氏は7月1日の建党103周年を前に、改めて「新たな経済組織、社会組織、職業グループにおける党建設の取り組みを模索し強化する」と言及した。今後も党の影響力拡大のため、社会のあらゆる領域で統制を強めていくとみられる。【北京・岡崎英遠】
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