リフォームUKのファラージ党首=英中部フロドシャムで2024年6月20日、ロイター

 7月4日に迫った英国の下院(定数650)総選挙で、「反移民」を訴える右派のポピュリスト(大衆迎合主義者)政党「リフォームUK」が初めて議席を獲得する可能性が浮上している。スナク首相率いる与党・保守党の一部支持層を取り込んでいるとみられ、保守党の苦境に追い打ちを掛けている。

 リフォームUKは、かつて欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)運動を推進したナイジェル・ファラージ元欧州議会議員(60)が党首を務める。ファラージ氏は選挙戦で、親交があるトランプ前米大統領のスローガンに似た「英国を再び偉大に」との言葉を繰り返し、英仏海峡をボートで渡ってくる不法移民を「フランスに追い返す」と主張している。

 同党は一時、支持率で保守党を上回った。英調査会社ユーガブの6月13日時点の世論調査では、リフォームUKは支持率19%で、保守党は18%。最大野党・労働党は37%だった。

 ただ、下院選は全議席が小選挙区で決まるため2大政党に有利で、全国的な組織力に欠ける新興のリフォームUKが支持率に比例する議席を獲得するのは難しい。ユーガブは、同党が5議席を獲得すると予想している。

 ファラージ氏は21日、BBC放送の番組で、ロシアのウクライナ侵攻は「西側による挑発」で起きたと発言した。ロシア側に都合がいい解釈を述べる点も、トランプ氏に似ているとされる。【ロンドン篠田航一】

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