中国国旗=ゲッティ

 中国共産党政治局は27日、重大な規律違反があったとして、李尚福前国防相と魏鳳和元国防相の党籍剥奪を決めた。国営新華社通信が伝えた。国防相経験者2人が同時に処分される事態は極めて異例。共産党の一党支配体制に潜む汚職体質の根深さが改めて浮き彫りになった。

 軍の調査によると、両氏は「職務を利用して、巨額の金銭を受け取った」などとされる。李氏については、軍装備部門の腐敗を招いたと糾弾されており、贈賄行為もあったという。軍の最高指導機関、中央軍事委員会のメンバーでもあった両者の不正について「党の事業や国防に極めて大きな損害を与えた」と非難した。すでに両氏の軍籍が剥奪されていることも明らかにされた。

 中国軍を巡っては、2023年以降、核ミサイル部隊を管轄するロケット軍などを中心に大規模な汚職疑惑が取りざたされていた。李氏は23年10月下旬に国防相を解任され、軍備品の調達などを巡り、不正に関わっていたとの見方が浮上していた。魏氏についても今年2月、習近平国家主席が春節(旧正月)に慰問する引退幹部リストから外れていたことから、汚職への関与が指摘されていた。【北京・岡崎英遠】

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