ロンドンの金融街などが主催する晩餐(ばんさん)会でスピーチを行った天皇陛下。お金にまつわるエピソードをユーモアたっぷりに披露。会場の笑いを誘いました。
■陛下が披露“お金エピソード”
陛下は独特の手拍子で迎えられます。ロンドンの金融街「シティ」などが主催する晩餐会です。陛下はこの場所に相応しい話題を披露され、会場を沸かせました。
天皇陛下
「留学当初はどうしても英国のお金の扱いに慣れず、ついついコインより紙幣を多く使ってしまい、重いコインが財布に残りました。ある時、それが全部、財布からこぼれ落ちたんです」
留学中、衣料品店で買い物中の陛下。この時、支払いはすでにカード。わずか2年間の留学期間中に決済システムが激変したことがうかがえます。
当時のご学友も、こう証言しています。
留学時代のご学友 高田創氏
「普通に買い物に行っては初めてクレジットカードをお使いになられたりとか、サインを…というようなことで」
天皇陛下
「それが今や、コインどころか財布すら持ち歩かず、クレジットカードやスマートフォンだけで済ます人も多いと聞き、40年という時の経過を感じます」
株取引の仕組みも様変わりしました。
人がごった返すシティを見学される留学中の陛下。
留学時代のご学友 高田創氏
「まさに青春のひと時というか。それから40年も経つ、タイムスリップというか。また自分の原点に近いようなものが、そこ(英国に)にあるんじゃないか」
髪に白いものが混じるようになった陛下。当時を思い出しておられるのでしょうか。
これより前、陛下はがんや感染症の研究を行う施設を訪問。職員に…。
フランシス・クリック研究所 職員
「ソーセージみたいなものが見えますよ」
顕微鏡をのぞくよう促されます。すると…。
天皇陛下
「あ!ほんとにソーセージみたいですね」
目を丸くして説明を聞かれる陛下。
■“思い出の音楽大学”訪問
これに先立って陛下は、ロンドンの王立音楽大学も訪問されています。留学中の1985年以来、39年ぶりの訪問です。
天皇陛下
「どうですか、弾いた感じは」
奏者
「ものすごく学ぶことが多いです」
■「W君と」陛下の“演奏秘話”
ビオラの奏者で知られる陛下。陛下は当時、室内楽にチャレンジ。著書に、こう記しています。
「テムズとともに」から
「いつものようにホールで朝食をとっている時、偶然、隣り合わせた学生から音楽を専攻していると聞き、多少、恐る恐るではあったが自分がヴィオラを弾く旨を話し、できれば室内楽をやりたいという希望を伝えた。その学生は大学院生のW君といい、2つ返事で引き受け、彼が他のメンバーを探してくれることとなった」
弦楽四重奏団を組んだフィリップ・ウィットモアさん
「あの回顧録に登場する『W』は私です。これが当時のバイオリンです」
現在は教会に勤めるウィットモアさん。当時、学友としてインタビューに答えたことも。
学生時代のフィリップ・ウィットモアさん
「音楽やテニスなど、その多才さに感銘を受けました」
留学中の陛下の様子について、改めて振り返りました。
弦楽四重奏団を組んだフィリップ・ウィットモアさん
「彼をプリンス・ヒロと呼ぶように勧められたので、そう呼びましたよ。キャンパスにある小さな建物、サマーハウスで一緒にたくさんの音楽を演奏しました。天皇陛下がまだ音楽に費やせる時間があることを願っています」
■ジーパンで…陛下“ディスコ秘話”
ちなみに陛下は留学中、ディスコへ行ったこともあるようです。
「テムズとともに」から
「ディスコに入ろうとして入り口で差し止められてしまった。理由を聞くと、Tシャツやジーンズでは、その晩は入れない由である。素直にそのまま諦めて帰った」
■“音楽一家”雅子さまはピアノを
今でも折に触れてビオラの演奏を披露される陛下。若いころから音楽に親しまれていました。
バイオリンを弾く当時13歳の陛下。秋篠宮さまはピアノです。その音色に昭和天皇と香淳皇后が耳を傾けられます。
音楽好きで知られるのは陛下だけではありません。美智子さまはハープを弾かれる様子が映像に残っています。
一方、雅子さまはピアノです。胸に花を付け、発表会でピアノを弾かれる雅子さま。
結婚当時には、こんなことも語られています。
雅子さま
「殿下は大変に音楽がお好きでいらっしゃいますけれども、家族でオーケストラが作れるような子どもの数とはおっしゃらないで下さいね」
■「僕が全力で」プロポーズも報道
そんな両陛下に現地メディアも注目。陛下については「歴代の皇室のトップとは一線を画す、ユニークで時に風変わりな趣味を持ち続けてきた」と報道。
雅子さまについては結婚した際のエピソードにも触れ、「彼女のとりこになったのも無理はない」「徳仁は雅子を追い続けた」。あのプロポーズの言葉である「雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから」も紹介していました。
両陛下は、まもなくチャールズ国王夫妻にお別れのあいさつに向かわれます。
最終日には留学生活を過ごした“思い出の地”オックスフォードへ向かわれます。
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