【パリ=板東和正】イランによるイスラエル本土への大規模攻撃を受け、欧州連合(EU)加盟国の外相は16日、中東情勢について協議する非公式のビデオ会議を開いた。EUのボレル外交安全保障上級代表は会議後の記者会見で、EUがイランに対して制裁を拡大する検討を開始する方針を示した。
ボレル氏は会見で、各国が会合でイランの攻撃を強く非難し、さらなるエスカレーション回避に向けて連携する方針で一致したと表明。一部の加盟国が「(イランへの制裁措置を)広げることを提案した」と述べた。提案を受け、制裁拡大の検討を進めるために「EUは必要な作業を始める」と強調した。
EUは昨年7月、ロシアのウクライナ侵略にイラン製の無人機が使用されているとして、無人機の製造に使われる部品のイランへの輸出を禁じる制裁措置を決めた。ボレル氏は今月16日の会見で制裁対象の兵器にミサイルを加えることや、レバノンの民兵組織ヒズボラなど中東の親イラン組織に適用範囲を広げる可能性があると指摘した。
ボレル氏はイスラエル、イラン両国の報復合戦は「誰も望まない戦争につながる恐れがある」と双方に自制を求めた。
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