ロシアのプーチン大統領(右)と握手する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=露極東アムール州で2023年9月13日、スプートニク通信・AP

 ロシアのプーチン大統領は18日、東シベリアを出発して北朝鮮へ公式訪問に向かった。19日までの日程で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との首脳会談や歓迎行事に臨む。ウシャコフ露大統領補佐官(外交担当)によると、両国は安全保障、エネルギー、経済など各分野での協力強化を確認し、包括的な戦略パートナーシップに関する新条約の締結に合意する見通しという。ロシアがウクライナでの「特別軍事作戦」を続ける中、これを支える北朝鮮との関係をさらに強固にする狙いとみられる。

 露メディアによると、ウシャコフ氏は訪問を前に、新条約について「北東アジア地域のさらなる安定の確保を目的とする」と言及、露朝関係には「喫緊の外交政策上の課題に対する両国のアプローチはほぼ一致している」と述べた。

 プーチン氏は訪朝を前に、18日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」に寄稿した。この中で、露朝の間で「西側の統制を受けない貿易・決済システム」を発展させ、経済制裁に両国で連携して対抗していくと表明した。「我々は共同の努力で協力をより高い水準に引き上げる」と強調。互恵的で対等な協力の発展▽経済・貿易関係の深化▽人道分野での協力の発展――につなげると説明した。

 また、プーチン氏は寄稿で、北朝鮮がロシアの特別軍事作戦を支持している点を「高く評価」した。外交面での賛同のみならず、欧米などから指摘される北朝鮮による武器・弾薬の供与も背景にあるとみられる。

 プーチン氏には、ラブロフ外相やベロウソフ国防相ら主要閣僚が同行。ウシャコフ氏は「最も重要でデリケートな問題」については、両首脳が通訳だけを交えて非公式に対話を行うとしている。プーチン氏の訪朝は約24年ぶりで、大統領1期目就任直後の2000年7月以来、2度目。金正恩体制への移行後は初めて。金氏が昨年9月にロシア極東を訪れた際に招請していた。【モスクワ山衛守剛】

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