タイ検察は18日、王室への不敬罪などでタクシン元首相(74)を起訴した。地元メディアによると、タクシン氏は2015年に韓国でインタビューを受けた際、14年の軍事クーデターに関連して、王室を侮辱する発言をしたとされる。タクシン氏は無罪を主張している。
タイでは王室への批判や侮辱はタブーとされ、不敬罪で有罪となれば1件につき最大で15年の禁錮刑が科される。今回の起訴は、タクシン氏や近い関係にある与党「タイ貢献党」に対する保守派からの揺さぶりだという見方もある。
タクシン氏は06年のクーデターで失脚して事実上の亡命生活を送っていたが、23年8月に15年ぶりに帰国。汚職の罪などで実刑判決を受けたものの、高齢などを理由に今年2月に仮釈放された。この間も海外要人と面会するなど政治活動に積極的で、かつての政敵でもある保守派の反発が強まっていた。
一方、不敬罪を巡っては、革新系の最大野党「前進党」が不敬罪改正を選挙公約に掲げたことが違憲と判断され、憲法裁判所が解党処分の審議を行っている。【バンコク武内彩】
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