米国のスーパーで売られているメキシコ産のアボカド=ニューヨークで2024年6月17日、中村聡也撮影

 メキシコ紙ウニベルサルは17日、米国がメキシコ産アボカドの輸入を一時停止したと報じた。米農務省から派遣された検査官2人が何者かに拘束されたことを受けた措置という。

 輸入が停止されたのは中西部ミチョアカン州産のアボカドで、今月15日から収穫や出荷などがストップした。期間は不明。地元の業界団体などによると、検査官2人は14日に被害に遭ったという。暴行を受けたとの情報もある。

 アボカドは美容や健康に良い果物とされる。ミチョアカン州はメキシコ最大のアボカドの生産地だが、アボカド産業は麻薬カルテルの標的になっており、生産者が恐喝などの被害を受けていると言われる。

 米国は2022年にも、検査官に対する脅迫を理由に、メキシコからのアボカド輸入を一時停止した。メキシコは世界有数の生産国で、米農務省によると、23年の生産量は前年比4%増の265万トン、輸出量は同17%増の140万トンだった。米国が最大の輸出先で、全体の81%を占める。【ニューヨーク中村聡也】

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