円相場や世界の金融市場に大きな影響を与える変更です。アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は新たな経済見通しを示し、今年中に想定する利下げの回数を3回から1回に減らしました。

アメリカのFRBは12日、5.5%を上限とする現在の政策金利を7会合連続で据え置くことを決めました。

また、今年中の利下げは1回にとどまるとの新たな経済見通しを示し、これまで3回と想定していた利下げの回数を減らしました。

FRB パウエル議長
「物価上昇率はピーク時の7%から2.7%へと大きく低下したが、まだ高すぎる」

パウエル議長は物価の動きを見極めながら、利下げをいつ行うか慎重に判断する姿勢です。

ただ、利下げに向けたハードルは物価の動きだけではありません。

バイデン大統領
「今年のうちに利下げが行われるという予想は変わらない」

11月に大統領選挙を控え、バイデン大統領はたびたび、景気の押し上げにつながる利下げに期待感を示しています。

一方、トランプ前大統領はパウエル議長がバイデン大統領の再選を後押しするため、利下げをしようとしているという持論を展開。大統領選の前に利下げしないよう強くけん制していて、パウエル議長は板挟み状態になっているのです。

11月の大統領選挙が近付くほど、政治からの圧力は強まることが予想されます。パウエル議長にとって、難しい政策判断を迫られる状況が続きます。

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