米国が発表したパレスチナ自治区ガザ地区の停戦案を巡り、ブリンケン米国務長官は12日、訪問先のカタールで開いた記者会見で、イスラム組織ハマスが「多くの修正」を要求したと明らかにした。ロイター通信によると、イスラエル政府関係者は「ハマスが停戦案を拒否した」と受け止めており、両者が歩み寄れるかは不透明だ。
ブリンケン氏によると、ハマスが示した修正案には、これまでにハマスが了承した条件を逸脱し、イスラエル側として応じられないものも含むという。ただ「(ハマスとイスラエルの)ギャップは埋められると信じている」とも語り、引き続き仲介国と合意成立を目指す考えを示した。
ハマスはイスラエル軍の撤退などに関する新たなタイムテーブルを示したとされる。イスラエル紙ハーレツは、ハマスが休戦開始から1週間以内にイスラエル軍がガザ地区から完全に撤退するよう要求したと報じた。実現しなければ、人質解放を取りやめることも盛り込んだという。イスラエルによる合意の履行を米国が文書で保証するよう求めたとの報道もある。
一方、イスラエル政府関係者はロイター通信に対し、「ハマスは意味のある主要な条件をすべて変えた」と述べ、ハマスが「停戦案を拒否した」との見方を示した。記者会見でブリンケン氏と同席したカタールのムハンマド首相兼外相は「双方とも非生産的な態度だ」と述べ、合意に向けて圧力をかける必要があると指摘した。
停戦案はバイデン米大統領が5月末、「イスラエル側の提案」として発表。ハマスは今月11日、仲介国に正式な回答を通知したと明らかにしていた。【カイロ金子淳】
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