解放された人質の周囲に集まる人々=イスラエル中部ラマトガンで8日、ロイター
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 イスラエル軍は8日、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスに拘束された人質4人を救出したと発表した。いずれも健康に問題はないという。

 軍によると、救出されたのは21~40歳の男女。ガザ中部ヌセイラットで8日朝、2カ所から発見されたという。4人は昨年10月7日、イスラエル南部で野外音楽祭に参加していたところ、ハマスの襲撃を受けて拉致されていた。また救出作戦との関連は不明だが、ハマス側はヌセイラットでイスラエルの攻撃があり、50人以上が死亡したと発表した。

 ガラント国防相は8日、X(ツイッター)に「人質を救出し、無事帰還させるという複雑で英雄的な作戦を遂行した」と軍などをたたえ、「人質の帰還まで戦い続ける」と強調した。イスラエルはガザの人道状況が悪化する中、国際社会から停戦に合意するよう圧力を受けている。ただ今回、軍が実力行使で人質を救出したことで国内では主戦論が強まる可能性もある。

 イスラエル外務省によると、ハマスは昨年10月の越境攻撃で民間人ら約1200人を殺害したほか、人質約250人を拉致した。これまで100人超が解放されたが、いまも100人以上が拘束されているとみられている。

 イスラエル軍は昨年10月末に女性兵士1人を救出したほか、今年2月にも南部ラファで大規模な作戦を行い、男性2人を助け出した。一方、昨年12月には白旗を掲げていた人質3人を戦闘員と誤認し射殺している。【カイロ金子淳、エルサレム松岡大地】

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